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【読まなきゃ損!】最高に面白すぎる1冊! 11分で学ぶ『史上最強の哲学入門』

2020-12-01
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飲茶著『史上最強の哲学入門』の評判
哲学に関してはど素人で、1冊目の入門書として購入しました。
アマゾンのレビューが良かったので購入したのですが、表紙の絵があまり好みではなく、中身を開くまで正直内容が不安でした。
一言で感想を言いますと、1冊目の入門書としては「最高」です。
とにかく、内容が非常に分かりやすいです。
哲学ど素人でも分かるような言葉・表現しか使われていませんし、分かりにくい記述にはイラストを用いて説明しています。
また著者のユーモラスな表現も多用されており、すっかり著者のファンになってしまいました笑
他の本も是非読ませて頂きます。
哲学に興味が沸き、手始めに多くの哲学者のことを広く浅く知りたいと思い本書を購入しました。

結果から言うと大当たりでした。本書の素晴らしい点は、表紙の画からすでにお分かりかもしれませんが『バキ』分です!・・・と言いつつ実際、各哲学者の説明についてはバキ分は気にならないと思いますが、まえがきだけでもインパクト大。男心が燃え滾るでしょう。また、本文は非常に端的でかつ親しみやすい言い回しで語られており、短く分かりやすい!飽きずにすらすら読むことができます。そして、それぞれの哲学に対し書かれている著者の洞察がまた鋭くて惚れてしまいます。にもかかわらず巻末に載っている参考文献が薄弱なのが不思議なほどでした。

本書での学びは多かったのですが、特に印象に残った3人の哲学を挙げます。
・サルトル:「自由とは、何が正しいのか分からないのに『好きにしろ』と放り出されてしまった不安定な状態のとである」
これを読んでまさに、現代人のことだと思いました。私自身「自由」という無限の選択肢が与えられているのに、結果的に幸せになるとは限らない現実に苦しんでいました。本書で語られている通り、何をすべきか「決断するための価値観」を手に入れる必要があると気づきました。
・ソクラテス:「自分の考えを決めるための価値観」を持っていなければ、多数決は有効には働かない。民主主義は無責任な衆愚政治へと成り下がってしまう。
上述のサルトルと関連して、「決断するための価値観」を多くの人が持たないがために、日本はその場のノリで物事や政治家が決まるという状態にあるのではないでしょうか。
・ニーチェ:「弱者であることを賛美するかのような綺麗ごとの数々。しかし、それらはすべて弱者のルサンチマンにすぎない。」
宗教の力が失われた当時の西洋に限らず、現代の日本でも無害で無欲で謙虚な人間が称賛されているように感じます。それは、最大多数の幸福を目指す平等主義においては正しいことだと思いますが、本来の自然なあり方とは矛盾していると認識しておくことは必要なことだと感じました。
全編余りに酷すぎて逐一取り上げるのは不可能。基礎的な哲学史的知識がある人が本書を読めばかなりひどい間違えがあることがわかるはずだ。例えばプラトンの章を読めば洞窟の比喩すら理解していないことがわかるしトマスの紹介は極めて適当でヘーゲル弁証法の特徴は無視、レヴィナスの他者概念についてもあからさまな誤用がある。どうしてこんなに間違えだらけなのかが不思議。誤解が段落どころか行ごとに存在しており枚挙すれば300はくだらない。
これを呼んでも自分で哲学諸書を紐解く気は起きないだろうし、したとしてもついていけずそれ以降哲学にふれることはないと思う。あの池田昌子を先生と呼んでいるのをみるに著者は哲学については池田の本やソフィーの世界、倫理の教科書くらいしか読んだことがないのだろう。読者に思索を促さず各思想家の術語を極めて皮相的に捉えその像を非常に単純な形で読者の知識に刷り込むものに哲学入門書を名乗る資格はない。
このレビューをご覧の哲学に入りたい方には樫山「哲学概説」藤本「哲学入門」木田他「基礎講座哲学」プレピト「哲学オデュッセイ」などをおすすめする。

哲学について

Stanford Encyclopedia of Philosophyは哲学用語、哲学史、哲学者の業績、研究史の知識を極めて詳細かつ広範に提供してくれる。例をあげれば
「ロマン主義」「唯物論」「ニヒリズム」
「無限」「言語」「否定」「認識論」「カント」
のような古典的話題から
「分子生物学」「音楽の哲学」「政治的正当性」「線形論理」「多文化主義」「コゲーテ」 
など科学技術、芸術、社会科学、文学、数学などにまたがる最新の話題も含まれている。
射程は西洋のみならず、ロシア、インド、日本、朝鮮、東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカにまで及び、このサイトをうまく活用すれば哲学の調べ者にはまず困らないだろう。
専門家の査読の上掲載されているので論文でも引用可能である。さらにインターネットの利点を活かし日々追加、増補、改訂がなされている。

紙の本では
まず思想史の枠組みを捉えるため
ヨーロッパの知的伝統―レオナルドからヘーゲルへ
勧める。科学、社会、哲学、政治思想史の連関を解明した名著である。
哲学通史としてはJonesやkenny、シャトレ(これのみ翻訳あるが前掲の2冊の方が良い)の大著が良い。
coplestonやÜberweg(後世の学者による改訂あり)は大変詳細かつ専門的で辞書代わりにも使える(中身はPDFや海外大学のリポリドジで見れる)。
邦語ではまず高坂正顕の「西洋哲学史」ミネルヴァ書房の「西洋哲学史」があげられる。
古代中世通史はリーゼンフーバー(文献表も優れている)が標準
古代哲学の入門書はnhk出版のものが平易。
近世、近代は野田又夫「西洋哲学史」。詳しいものであれば九鬼周造の「西洋近世哲学史稿」が丁寧でわかり易い。(高いので図書館や全集収録以前の版を利用するべき)
現代は岩波講座「現代思想」の興味ある巻を買えば良いだろう。深く掘り下げる場合には飯田隆、シューテクミラー、現代思想の冒険者シリーズを参照。
ある哲学者や哲学史の潮流(たとえば「ドイツ観念論」や「機械原因論」、「イギリス理想主義」など)について包括的な知識及び最新の研究成果を享受したい場合にはThe Cambridge Companion to Philosophyや Blackwell Companions to Philosophyなどをあたれば良い。

辞典は Cambridge Companion to Philosophy(用語)・東京堂「哲学用語辞典」・岩波「哲学思想事典」

マケプレで値段が吊り上げられている場合大きめの図書館か本の横断検索サイトで探すこと。